メッセージ・イン・ア・ボトル

それはまるで
海に投げ込まれる
空きビンに入った手紙のようだった。



どこにたどり着くとも
誰が手にするともわからない手紙を
波というポストマンが私に届けてくれた。



それは、私には届かないはずの手紙だった。



なぜなら・・・・
住所がまちがってんだもん。






おかしい。



横浜から札幌へ引越をして
もうすぐ一ヶ月だというのに・・・


おかしい。



何がおかしいって
引越してからわたし宛の手紙が
一通も届いていないのである。



舞台公演があるたびにわたしの元に届く
「紫のバラのひと」からの贈り物も
毎日毎日、郵便ポストがいっぱいではちきれそうになるくらい届く
ファンレターも
不幸の手紙
友達からの手紙も、
携帯電話の通話料の手紙も・・・
一通も来てないのである。




ううぅぅぅ・・・・。(涙)


そんな『手紙をくれる友達がいねーんじゃねの?』的孤独感に
さいなまれていたとき
ケビンコスナーの近未来郵便配達夫を髣髴とさせる
ポストマンが手紙の束を手に我が家に現れた。



ポストマン「ももさんという方は、こちらでいいんでしょうか?」
もも   「はい、ももはわたしですが・・・・。」



ポストマン「あのねぇ、住所が間違ってますよ。」




えーうっそー。
私は、ポストマンから手渡された手紙の束の
住所を見る。




ぁ。
ほんとだ・・・・・違う・・・・・。




UFOの仕業か、
プラズマの仕業か、
カマイタチの仕業か、
蜃気楼か、
単なる住所の書き間違えか、
妖怪『住所変更』の仕業か、
大自然の摂理か、
超法規的手段による政治的圧力の仕業か、



住所間違えの原因は依然不明のままだが、
早速郵便局で再度住所変更をしてきたのだった。



それが、2日前のこと。



そして今日。



隣の部屋でなにか探し物をしていたママンが
わたしに話しかけてきた。



「ねぇねぇ、今年ってさ、平成18年の戌年でいいんだよね。」




「うん。2006年だから、平成18年でいい・・・・・え!?







そ・・・そういえば。
住所変更の届けの
「新住所への転送開始日」を記入するとき
今年が平成何年だか迷ったわたしは



平成16年と記入してしまったっけ・・・・。
勘で。 





というわけで、
勘が見事大ハズレしてしまいましたが、
過去2年分の郵便物転送のお願いを出してしまったということで
何かのドサクサに紛れて2年前応募したボスジャンが届かないかなぁ〜・・。