耳に残るは君の声。。。。

momocolor2005-12-06

今日は優雅に芸術鑑賞。


バイオリニスト川畠成道さんの
チャリティー社内コンサートが
会社のビルで行われた。


なんちゃってクラッシックファンとしては逃せない!!
ってわけで仕事場を抜け出し会場となる
一階カフェテリアへ。


そこで私は
音楽の新たな一面と出会うこととなった。




演奏は、盲目のバイオリニストとは思えないほど素晴らしく・・
いや、そんな風に形容することはもはや不必要だろう。
私はその音のきらめきに、
時に心を打たれ、時に涙し、時を忘れるほど魅せられた。


あっという間の2時間が過ぎた。
鳴り止まない拍手。
その只中に立つ、バイオリニスト。
私は肌に残った鳥肌と、頬に伝った涙をそのままに
感動の余韻に浸ろうとした。



・・と、そのとき、
「本日のコンサート責任者」と冠のついたおじいちゃまと、
その後ろを社員と思われる数人がステージへ上がる。



「コホン」
ひとつ咳払いをして、おじちゃまはしゃべりだした。
「川畠さん。今年で7回目となるチャリティーコンサートですが
大変すばらしい演奏をありがとうございました。・・云々。」



うんうん。余韻に浸るんだから、挨拶は早く終わらせてよ。



「・・えー。毎年の恒例ではありますが
本日素晴らしい演奏をしてくださった川畠さんに、
私たちからサプライズプレゼントをしたいとおもいます。」



・・・?ん・・・・?
なんか雲行きがおかしい。




「皆様お手元の楽譜を出してください。」




手元にはプログラムにはさまれた
きよしこのよる」の楽譜が・・・。
そういえば、さっきから何の楽譜だろうとは思ってたけど、、、




えっと・・これはなんだ?
まさか、小学生のときに教育実習の先生とお別れするときに
クラスでやった「あれ」じゃないっすよね?




「去年は川畠さんの誕生日ということでバースデーソングを送りましたが
今年は一足早いクリスマスプレゼントを送ります。」



えっと。。これはあれですか?
ウルルン滞在紀で山本太郎
お世話になった家族に頼まれもしない
「ジャパニーズソング」を送ります!!的な
あれですか?
「私から〜貴方へ〜この歌を〜届けよう〜」
という
値段のつけられないといったら聞こえがいいが
『送られて特に迷惑じゃないけど、なんか微妙なお土産No1』の
あれですか?ひょっとして!!??




ひょっとして
社会でそれなりに荒波にもまれ
曲がりなりにも自らの食い扶持を
自らで満たしているいい大人が・・・



「それでは『歌のプレゼント』をみなさんでいたしましょう。」



オー。ジーザス!!!
まさに「サプライズ!!」



ってゆーか、こっちがな!!!
なんで、「プレゼント送り側」がサプライズされなあかんねん。



・・・しかし
さすがに調子に乗って最前列に座ってしまったツケである。



反抗期の中学生よろしくポケットに手を突っ込んだまま
ガムをくちゃくちゃ反発するわけにもいかず。



この感じは明らかに
「ほら!みんなが大声で歌うまで全体練習は終わりませんよ!!!」
的雰囲気。




「それでは下のパートを練習しましょう」




っていうか、練習から始めるんかい!!という突っ込みも
もはや虚しく。
会場を埋めた約100人で歌われる「きよしこのよるハモリパート」は
なんともアンチクリスマスムードたっぷり。




その練習の間中、なんとも中途半端に待たされる川畠さん。
いいんですか?こんな扱い。




「それでは本番ですよ。
みなさんお好きなほうのパートを歌ってください。
せーの、さんはい」



練習と本番の区別が曖昧なまま
なし崩し的にスタートした「きよしこのよる」は
ハモリパートのみの練習の影響か
なんともマイナー感が色濃く残る「サイレントナイト」になったわけで。



そのときの川畠さんの顔色が私の席からは見えなかったことだけが
なんとなく、救いである。



さて、そんなこんなで
とても驚きあふれる音楽会。



あれほど素敵な演奏を聴いたのに
耳に残るは「きよしこのよる」のみ・・・。



帰り道の寒空の中
無意識に口に出る鼻歌が
きよしこのよる」だったことに気付いたときの
やるせなさ。。。。



あぁ。あのマイナー調のきよしこのよるが流れるくらいなら
どうかせめて「静寂(サイレント)な夜(ナイト)」を。。。。