はしっこの恐怖・・・。

momocolor2005-12-07

「いいか・・ココ(満員電車)は戦場だ。。
戦場で気を抜いたものには死あるのみ。


戦場(満員電車)の唯一のオアシス・・
座席が空いたときは
どんなことがあっても座れ。
それしか、われわれに生き残るすべはない。。。」




今日も今日とて、東海道線は満員電車。
そろそろ季節も寒くなってきて
マフラーが手放せなくなってきた。


しかしいつもは私を寒風から守ってくれるこのマフラーが
満員電車の中で凶器に変わった。。。


もみくちゃの電車の中。
人がどんどん電車内に入ってくる中で
私は殺気を感じた。
なにか、「引っ張られる」感覚を感じたのだ。
引っ張られるその気配のほうを目で追うと・・・



はぅぁぁぁ!!!
マフラーの片端がおじさんと女子高生に挟まれている!!
あぅはぅぅぅ!!!
もう片方のマフラーは私と、サラリーマンに挟まれて・・・


人はまだまだ入ってくる。
片方のマフラーは、はさまれたまま
あっちで引っ張り、こっちで引っ張り。
私を間に挟んだマフラー綱引き状態。



赤勝て白勝て。
オーエス、オーエス!!
私の顔は赤くなったり白くなったり。


チアリーダーは応援してくれないけれど
チアノーゼが迫っているぞ!!!



うぐぅぅぅぅぅ。
し・・・しぬ。。。。


こ、このままでは
密室電車殺人事件ならぬ、
「みっちり電車殺人事件」だ。
あわててマフラーを手繰り寄せる。
命からがらマフラー奪取で無事気道確保。


ふぅぅぅ。危なかった。
今日は朝からついてない
と確保した気道でため息をついた。


そのときだった
横浜で人が降りていく中で奇跡が起こった。


オアシスが私の前に現れた!!
私の目の前の席が空いたのだ!!!
しかも、端っこの席!!!!


皆様にもわかっていただけると思うが、
人間とはその本能をもって「端っこ席」
を求める生き物である。


100人いれば100人が
始発電車で「端っこ席」に座るだろう。


ああ、なんていう幸運。
先刻の危機一髪が一転、
こいつは朝から運がいいや。


欲を言えば、壁側の端っこ席のほうがもっとうれしいが
まぁいい。


端っこ席のメリットは
「隣に人がいないので寝やすい。」ことにある。


座ったとたん眠りに入る私。



眠りの世界へダイブしようとしたそのときだった。



・・・ゴっ!!!
ぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐい
ぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐい
ぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐい
ぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐい



・・・ん?おかしい。
安全地帯に座っている私の頭に
執拗に迫る何か。



そう、私は油断をしていたのだ。
座っているとはいえ、
端っこ席だからといえ、
いや、端っこ席といえども、手すり側であるがため
満員電車の入り口付近で押し合い圧し合いしている人の
黒い鞄が私の頭に急転直下。



黒い鞄が私の顔が変形するくらい迫ってくる。



黒い鞄の持ち主も
何とかしてぶつからないように苦労しているようだが
何しろ満員電車。
いかんともしがたい、こう着状態。


迫る鞄に対して
アグレッシブに立ち向かう私の頭。


頭と鞄のガチンコ勝負。



「おぉぉぉーーーっとぉぉ!!
グレート☆モモの頭突きが黒鞄に炸裂!!!!
コレは効くぞ!!!!
・・っと、効いてない!?黒鞄には全く効いてないようだぁぁぁ!
そこへすかさず黒鞄のヘッドロックが決まる!!!


コレはまずいか?
顔が変形してるぞ!?
アッチョンブリケな顔になってるぞ!!


グレート☆モモ、ギブか?ギブアップか???


カンカンカンカーーーーーン


ギブアップだぁ!グレート☆モモ、ギブアップしましたー!!


しかし、ヘッドロックは外れない。
審判がとめるのも効かず、黒鞄はまだグレート☆モモに迫る・・・」




朝の満員電車。
朝っぱらから綱引きに、プロレスごっこ。。。



満員電車は戦場である。
そこで油断したものには、死あるのみ。



傷だらけの戦士たちが求めた安息の地(座席)


・・しかしそれは砂漠に漂う蜃気楼のようなものであったのだった。。。