ムシ一匹殺せない顔をして・・・・。

きゃぁぁぁぁぁ



夢の向こう側で
ママンの叫び声が聞こえたような気がした。



その瞬間



げしぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!



私の背中に衝撃が!!!!!!






たしか、ママンのヨン様コレクションDVDを見ていた途中だった。



ドラマの中で
ヨン様扮する小梅太夫
日舞のコンクールで賞を貰ったらぁ〜♪
ただの参加賞でしたぁ〜♪・・・チクショー」
という
普通に「あぁ。それは悔しいよね。」
というようなネタで
狂い咲きしただの、しないだのをしている最中で
不覚にも寝てしまったらしい・・・。




私は
相変わらずの睡眠不足のせいか
もう眠かったパトラッシュのように寝ていた。




ちょうどいやーな感じの夢を見ていた時だった。





きゃぁぁぁぁぁ
夢の中でママンが叫び声をあげた。



・・・・・?
いやいやいや。
これは、夢じゃないぞ。




だって、
叫び声のすぐあとに、
私の背中に蹴りのような衝撃があるもの。




おすぎとピーコさん風に表現すると
"踏んずけられている!!"といったらいいだろうか。



ママンは、横向きに寝ていた私の背中をぐいぐい押していた。



突然の衝撃で理解力をなくした頭で
私は状況を出来るだけ正確に把握しようと努める。




ひょっとして家庭内暴力
そんなバイオレンスな考えが頭をよぎったその時、
叫び声の続きが状況を説明してくれた。




「動いちゃダメ!!!!!ワラジが潰れる!!!!!!」




どうやら、横向きに寝ていた私のお尻のすぐ横を
わらじむし君がひょこひょこお散歩していたらしい。



それを見つけた虫嫌いのママンが
もも家ムシ処理班班長の私を
"踏む"という手段で徴収したってわけだ。



「動かないでね!!!でも早く退治して!!!!!!



・・・・えっと、、、、ままん
状況を整理してみようよ。



ママンが
「倒れ掛からないように押さえている」とおそらく思っているこの状況は
明らかに私を踏んずけているわけで、
私は今まさにママンに踏まれている最中で、
「動くな!」と言われている状況で、
退治せよと?




私はママンに半ば踏まれた状態のまま
テッシュでササッと退治したのでした。




春が近づくと
ワラジムシが部屋の中を徘徊するようになって
気をつけなければならなくなりますが
やっぱり一番気をつけなければいけないのは、
虫一匹殺せないような顔をしていながら
娘を思わず踏んずけてしまううちのママンのような気がします・・・・。