はじめての、はろーわーく。

momocolor2006-03-17

せんせいあのね。
きょうわたしは、たのしいところにあそびにいったよ。



それは



はろーわーく




せいしきめいしょうは
公共職業安定所






「はろーわーく」っていうところは、
なまえだけきくとさわやかそうだけど
そのじつ、あつまっているひとをみると
どっちかというと
ぐっばいしたくなるような
ばしょだったよ。



わたしはそこで
「しつぎょうほけん」っていう
おかあさんのおさいふからちょうだいした
『ふくざわゆきちさん』のかおをしたおこづかいよりも
もうちょっとかなしいおこづかいをもらうためのしんせいにいったんだよ。



そこでは、しょうめい写真が2まい必要だったよ。
私は
「どうせ行けば3分間写真のボックスが設置してあるだろう。」
と思い必要書類と身分証明書だけ持って行ったよ。



ハローワークに入ると
「初めての方はこちらへどうぞ」と書かれた
総合受付があったの。



もも「すみませーん。
   失業保険の申請したいんですけど・・
   証明写真を持ってきてないんですけど、
   どこか写真を撮れるところはありませんか?」



そう尋ねた私に
ちょいパンチ気味の係員が渋い顔で答えた。



パンチ「えぇっとですねぇ・・・・・。
    実はこの施設内にはないんですよ〜。」



え、ないの?
免許書き換えの警察署とか区役所とかにはあるのに・・・・。
しまったなー・・・・。



ちょっと困った顔をした私に
これまたちょっと困った顔のパンチさんは言った。



パンチ「駐車場の隣に2枚300円で撮れるところがあるので
    よかったらそこを利用してください。」



・・・外に出なくちゃダメなのか・・・・。
めんどくさいけどしょうがない。



私は外に出た。



ええ・・・・・・っと
駐車場の隣っと・・・・・


てくてく・・
てくてく・・
てくてくてく・・くくくくく?????



ん?
駐車場の隣って・・・



茶店??????



いやいや、喫茶店で証明写真はないだろうと
周りをぐるりを見回すが
ほかにそれらしい店舗は見当たらない。



・・・ココなのかなぁ。
でもこの喫茶店、明らかに写真撮る気ゼロ。


篠山貴信さんと榊 莫山先生をシャッフルしたら
確実にわからなくなりそうなくらい
写真とは縁遠い感じがする。





でも・・・



『「ハローワーク」用「写真」撮ります。1組300円です。』


という張り紙が
お店の看板の店名を隠す勢いで堂々と貼ってある・・・・。



ここで間違いないらしい・・・・・。



意を決して店内に入る。



カランカランカラン。
店内は、山下拓朗が流れてきそうな
フォーク臭のする昭和喫茶。



だって
テーブルが麻雀のアーケードゲームだし。


こんなの
今時やるお客さんなんているのかねぇ・・・・





いたぁぁぁぁぁぁ!!!
奥に座っている野球帽をかぶったおじさんが
かなり真剣に、背中を丸めてプレーしてる!!
しかも100円玉を積んでるし!!!!!



や、、やばい。
私はどうやら時空の狭間に迷い込んでしまったらしい。
だって、ここ平成じゃないもん。
明らかに昭和です。
まだ昭和だった幼少時代、
近所の中華料理屋さんにあったもん、これ。



確かこの手のお店は
平成の世では絶滅したと言われているはず。。。。



思わぬタイムスリップで困惑した私に声をかけたのは、
タイムパトロール中の時空警察ではなく
茶店のおカミさんだった。



おカミさん「写真ですか?」



・・・・・えーっと。
ココの喫茶店はコーヒーよりも写真の方が優先順位が高いんですか?



もも「は・・・・はい。」



おずおずと返事をする私に
おカミさんはテキパキと指示をだす。



おカミさん「髪の毛とか直したかったら、そこの・・トイレに鏡がありますから・・。」



用意を済ませた私がトイレから出ると
そこにはデジカメを構えたおカミさんが。



おカミさん、
マスター業だけではなく、カメラマンも兼任ですか!?




ちゃちゃちゃと撮られた写真は
その場でコピー。




そうして、撮った証明写真と書類を提出し
無事失業保険の申請が終了したのですが・・・・。



今日一番気になったのは
パンチな受付でも
写真撮影が地味に上手なおカミさんでも
ゲーム台に山積みにされた100円玉でもなく



・・・あのカメラマン業で得た収入は
課税対象なのだろうかということで。




"仮に"
北海道の年間完全失業人口が17万人だとして
北海道の人口の3割を占める札幌の失業人口が"仮に"5万人だとして
私の行ったハローワーク
札幌にある区のうち4区を担当しているんだから
"仮に"1年間に2万人があのハローワークにハローするとして
そのうち証明写真を持ってこなかった人が"仮に"4分の1いるとして
"仮に"一年間に150万円の写真収入があったとして・・・・



ついでに"仮に"
カメラマン業が喫茶店営業の副業、またはパートタイムであると位置づけた場合
パートに対する課税については
年収141万円以上で所得税ならびに住民税の課税対象となるんだから・・・



立地条件的にあの喫茶店の近くには
税務署なんかもあったりするわけなんだけど
マルサの女」がお店の前を通る直前に
あのおカミさんは『写真撮影します』の張り紙を
びりっと剥がし
商売道具のデジカメは
「年だから機械のことは良くわからないねぇ・・・・」
と愚痴をこぼしてごまかしてみたりしてるのかもしれない。



ひょっとして
ハローワークの偉い人に対して
おカミさんが袖の下をフリフリやって
「3分間写真のボックス設置案が提案されたときは
・・・・・よろしくお願いしますぜ」
なんて談合をしているのかもしれない。




なんて
もーそーにかられていると
いつまでたっても
『しつぎょうしゃ』のらくいんがとれないんだろうね。



そんなもうそうはろーわくはたのしかった。



おしまい。