客寄せパンダ。

・・・・それは1970年代、あの時代
女子たちの
「いやーん。ぬいぐるみみたーーーい」
の言葉を一手に引き受けたイカス奴。

・・・・それは1970年代、あの時代
パンダさえ置いとけば、客が呼べると
芸とかそういうものではなく
その存在そのもので
集客の役目を一手に引き受けた
スゴイ奴・・

その名も

パンダ

お散歩途中
中島公園の近くで偶然見つけた小さなお菓子屋さん。

そのお菓子屋さんのこぢんまりとした雰囲気に
お菓子を買う予定もないのに
ついつい近づく。

お店の外からそっとのぞいてみてみると
お店の中には
ガトーショコラにチーズケーキ、オペラにイチゴタルトetc..
目にも鮮やかな甘い宝石が
ケースにちんまりと並ぶ。

そして陳列棚の向こう側にある小さな喫茶スペースに
ひとりの初老の女性が
静かに座っているのが見えた。

近所の常連さんかな?
みるからに上品そうなおばあさんが座っている周りでは
なんだかとてもゆったりとした空気が流れているように見えた。

その穏やかな雰囲気にすっかり魅せられた私は
そっとお店に入ったいった。

お店に入った私の目の前には
クッキーやマカロン、マドレーヌにブラウニー
といった色とりどりの可愛らしい焼き菓子がおかれている。

そのかわいらしさに目を奪われていた私に
上品なおばあさんが優しい声で声を掛けた。

「ここの焼き菓子は、おいしいわよ。」

相当な常連さんなのか
いろいろ親切にお話ししてくれるおばあさん。

こんな上品なおばあさんが薦めてくれるんだから
美味しいに違いないと
いくつか選んでカゴに入れる。

えっと、
クッキーと。。
マフィンと。。
フリナンシェと。。
マカロンと。。

カゴをお菓子でいっぱいにした私は
レジに向かった。

・
・
・
・
？
・
・
・

・・・・・あれ？

・・・・・・なんで、おばあさんがレジにたってるの?

いつの間に移動したのか
レジの前に現れたおばあさんは

「はい。以上でよろしいですか？お会計は・・・・・」
と、手際よくレジを打つ。

・・・・・ひょっとして・・・・

店員だったのか??????!!!!!!!

あんなに、
「アタクシ、ティータイムは
ナボナかここのお菓子に決めてますのよ。」
って感じに勧めてくれてたのに!!!!!!

どうりで
常連客みたいな、くつろぎようだったわけだ・・・。

まさか・・・
客寄せパンダだったとはな・・・・・。

客寄せパンダにつられて
まんまと焼き菓子を購入させられてしまった私でしたが。

パリパリパリ・・・・・
ボリボリボリ・・・・・
ザクザクザク・・・・・

・・・・・・くそぅ・・・・・。
客寄せパンダの言ったとおり・・・・・

美味しいじゃないか!!!!!