にゃーにゃーにゃー(猫の言い分)
薄暗い夕方の帰り道。
私の前方に一人と一匹の影が・・・・。
小型犬を散歩しているらしい。
あの顔の小ささは、チワワかな?
どうやら相当駄々をこねているらしく
道の真ん中で止まったままだ。
飼い主が困っているのが遠くからでもわかる。
いいなー、私も欲しいなー犬。
そう思いながら私は近づいていった。
・
・
・
あれ?
犬にしては、ずいぶんと猫背な犬だなぁ・・・。
・
・
・
・
ん?
猫背?
ってか猫ぢゃん
長い紐を引っ張りながら
「ほら、ほら。いくよ、チロちゃん。」とせかす飼い主。
いや。無理だろ。
案の定
3分間ほど続いたにらみ合いの結果
とうとう観念したのか、
飼い主がチロちゃんをひょいと持ち上げ、
小脇に抱えて歩き出したのだった。
「っかしーなー」と首をかしげる飼い主。
我関せず、目を閉じて運ばれていくチロちゃん。
そして、
それをトータル5分間ほど隠れて眺めていた私。
春は、いろんな人が現れる季節のようです。