故意の☆ノンストップバス

momocolor2006-11-07

乗り遅れたバスを
見送る瞬間。



私たちは
なにやら言いようもない悲しみや、
存在のちっぽけさを感じます。






てくてく。



今日の帰り道
バスの停留所までの道を歩いていたときだった。



今日は昨日買ったばっかりの
高いヒールの黒ブーツをはいちゃったので
ちょっと足が痛い。



てくてくてくてくて。



歩みが遅くなっちゃうのもしょーがない。



てくてくてくてくてくてくてくてくてくてく。



バス停まであと100メートル弱のところまできたときだった。



ブーーーーーン



私の目の前を通り過ぎていくバス。



あーーーーーー行っちゃった。



・・・・・・・・だみだ。
走ったら間に合うかもしれないけど、、、、
この靴じゃ走れないし。。。。
途方にくれて立ち尽くす私の100メートル向こうで
停車するバス。



停留所で人を下ろしたバスは
今にも出発する勢い。



ここで見逃したらまた20分くら待たなくちゃいけないけど。。。。
しょーがないかーーーー。。。。。。




すっかり諦めてしまった私は


「ばいばい。バス」の気持ちでバスに手を振った。










あああ・・・・あり?????




なんでバスが停留所で止まったままなの?????
だって、もう人は下ろしたでしょ?
別に乗る様子の人も回りにいないし。。。。









え。。。。ひょっとして。。。。。。あたし?




あたしを待ってる?????




タクシーでも見逃しそうな距離で
バスの運転手さん。。。あんた、、、、プロだよ。







どうやっても待つ構えを崩さないバス。



・・・・・・・エーーーーーーーっと。。。。。。。



これは走っていかなきゃだめっす・・・よねぇぇぇ。。。。。




ゼィハァ・・・・
ゼィィィィハァァァァァァ・・・・



乗り遅れそうになったバスに
乗り込めた瞬間

私たちは
なにやら運転手さんの優しさと、
ちっぽな満足感と
動悸と
息切れと
たった100メートルでできた足のまめに当たる
ブーツのファスナーの留め金を感じるでしょう。。。。。