故意の☆ノンストップバス
乗り遅れたバスを
見送る瞬間。
私たちは
なにやら言いようもない悲しみや、
存在のちっぽけさを感じます。
てくてく。
今日の帰り道
バスの停留所までの道を歩いていたときだった。
今日は昨日買ったばっかりの
高いヒールの黒ブーツをはいちゃったので
ちょっと足が痛い。
てくてくてくてくて。
歩みが遅くなっちゃうのもしょーがない。
てくてくてくてくてくてくてくてくてくてく。
バス停まであと100メートル弱のところまできたときだった。
ブーーーーーン
私の目の前を通り過ぎていくバス。
あーーーーーー行っちゃった。
・・・・・・・・だみだ。
走ったら間に合うかもしれないけど、、、、
この靴じゃ走れないし。。。。
途方にくれて立ち尽くす私の100メートル向こうで
停車するバス。
停留所で人を下ろしたバスは
今にも出発する勢い。
ここで見逃したらまた20分くら待たなくちゃいけないけど。。。。
しょーがないかーーーー。。。。。。
すっかり諦めてしまった私は
「ばいばい。バス」の気持ちでバスに手を振った。
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あああ・・・・あり?????
なんでバスが停留所で止まったままなの?????
だって、もう人は下ろしたでしょ?
別に乗る様子の人も回りにいないし。。。。
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え。。。。ひょっとして。。。。。。あたし?
あたしを待ってる?????
タクシーでも見逃しそうな距離で
バスの運転手さん。。。あんた、、、、プロだよ。
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どうやっても待つ構えを崩さないバス。
・・・・・・・エーーーーーーーっと。。。。。。。
これは走っていかなきゃだめっす・・・よねぇぇぇ。。。。。
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ゼィハァ・・・・
ゼィィィィハァァァァァァ・・・・
乗り遅れそうになったバスに
乗り込めた瞬間
私たちは
なにやら運転手さんの優しさと、
ちっぽな満足感と
動悸と
息切れと
たった100メートルでできた足のまめに当たる
ブーツのファスナーの留め金を感じるでしょう。。。。。